東芝メモリ売却は正解だったのか 考えてみる

不正会計、原発の巨額損失で経営再建中の東芝が東芝メモリの売却が実行されたと発表しました。企業の再生、リストラを行う場合は不採算事業を切り捨て強い事業を強化していくのですが東芝の場合は全く逆で唯一の稼ぎ頭のメモリを売却するという事態になっています。今回は東芝のメモリ売却について考えてみました。

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メモリの世界シュアにおける東芝メモリの位置

よく報道されていたのですが東芝メモリの世界シェアは韓国のサムスン電子についで2位に付けているとの事。最近では業界Topか2位でないと生き残れない厳しい状況ですが2位ならまだ当面は安心なのかなと思っていたのですが世界シェアの詳細を見るとそうでもないのです。

2位といってもTopから大きく差をつけられての2位で3位以下との差も僅か数%でしかありません。これではちょっとでも気を抜くと2位から転落していってしまいます。圧倒的シェアを誇るサムスン電子があってその他は団子状態。団子の中の先頭が東芝メモリという構造です。

メモリ業界は毎年巨額投資を行って競争力を維持して大きなリターンを得るのでハイリスク、ハイリターン。少しでも投資を怠るとあっという間に没落してしまいます。
不正会計、原発の巨額損失で財務基盤がぼろぼろの東芝にはメモリを抱え続けるのは厳しかったのかもしれません。

東芝は何故、メモリ以外は儲けられないのか?

ずっと疑問でした。総合電気メーカーの日立、三菱はきちんと利益を上げているのに何故東芝のメモリ以外の事業は低調なのか?

東芝はメモリが設備投資、研究開発投資の大部分を占めるためその他の事業に投資が回らない構造のようです。
以下の円グラフは2017年3月期の東芝の投資内訳です。

研究開発費の51%、設備投資に至っては85%をメモリを中心とするストレージ&デバイス部門が使っているのですからその他の部門が成長できないのも納得です。金をかけなければ競争力は付きませんよ。

東芝という会社はメモリという稼ぎ頭があるがゆえにその他の部門が成長できずに現在に至ったようです。

売却は東芝、東芝メモリ双方にプラスであったと思う

今回の不正会計、原発の巨額損失が無ければメモリを手放すことは無かったでしょうが結果的には双方にとって良かったのかもしれません。

東芝メモリにとって

毎年の巨額投資が必要ですが東芝に残っていて投資が継続できたか疑問です。東芝に残っていればメモリの利益は東芝の不採算事業の穴埋めに使われるためメモリの士気も落ちるものです。切り離されて独立採算、独自に資金調達が可能になったのは東芝メモリにとって良かったのではないでしょうか。

東芝にとって

2兆円の売却益を手に入れることで脆弱な財務体質が一変します。メモリという稼ぎ頭を失ったことは大きいですが反面、他の事業にこれまでとは違い十分な投資を行うことが出来ます。
これらの投資が有効なものとして活用できるか否かで今後の東芝の命運が決まるのではないでしょうか?

一連の経過が最も当てはまる諺

人間万事塞翁が馬
中国の諺ですが悪い出来事だと思ったことでも結果的に良くなることもある、というような意味です。
東芝にとって不正会計、原発の巨額損失というダブルパンチが無ければ唯一の金の卵であるメモリを売却することは無かったでしょう。しかしそれでは常にハイリスク・ハイリターンの経営が続くことになります。
メモリ売却の資金で残された既存の事業が成長し安定的に利益を出せる会社になって欲しいです。

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